みなさん、こんにちは。法学部の玄守道です。
今回は、2012年12月11日に、韓国から東国大学法学部教授朴秉植(パク・ピョンシク)先生をお招きして「韓国と日本の死刑」と題して講演会を開催しましたので、ご報告いたします。
まず、講師の朴先生について簡単に紹介いたします。朴先生は、1983年に渡日され、明治大学大学院に入学、93年に帰国、龍仁大学教授を経て、現在は東国大学法学部教授です。国家青少年委員会委員、韓国法務保護福祉公団理事、警察庁成果評価委員長などとして活躍されています。
次に、今回の講演会の趣旨ですが、それは次の通りです。ドイツをモデルとする同じような刑法典をもつ両国でありますが、韓国では、97年12月に23人の死刑が一挙に執行されて以来、約15年、死刑が執行されておらず、国際的には「事実上の死刑廃止国」とされています。また、死刑確定舎についても更生に向けての処遇がなされており、被害者遺族への支援にも取り組んでいます。これに対して、日本は、アメリカとともに近代的な民主国家では稀有の「存置国」であります。そこで、死刑をめぐる両国の違いについて考えてみようというのが今回の講演の趣旨でした。
朴先生は、この度、インパクト出版会から『死刑を止めた国・韓国』を出版されることになり、出版記念会のために来日されることになりました。東国大学および朴教授とは、本学大学院法学研究科の院生が東国大学に留学し、朴先生の下で学ぶなど、いろいろなかたちで交流をさせていただいており、このような縁から、今回の来日に際し、是非、本学でもお話ししていただきたいとお願いして、このような企画が実現した次第です。
当日は、朝9時からの講演であったのですが、朴先生はパワーポイントを使い、堪能な日本語で非常にわかりやすく韓国の死刑制度にまつわる状況についてお話しいただきました。また、朝早かったにもかかわらず、多くの学生が集まり、朴先生の話を熱心に聞き、講演後の質疑応答では非常に活発な議論がなされ、講演会としては大成功に終わりました。
当日、司会を務めていただいた本学法科大学院教授石塚伸一先生や手助けしていただいた院生さん、また講演準備をしていただいた事務の石井さんに心よりお礼申し上げます。